「邦楽普及拡大推進事業(文化庁)」要領まとめ
先日、文化庁が進める「邦楽普及拡大推進事業」の公募要領が発表されました。
(https://hougakushien.jp/)
こちらの事業は大学の部活・サークルが活動を安定的に行う上での
支援を行うものとなっております。
大学の部活・サークル向けの支援ということで、今まであまり無かった内容であり、
「邦楽の普及」という観点からみても大きなインパクトを与えることができる事業だと思います。
しかし今年度初の事業ということもあり、前例が無く
どのような内容になるかイメージしにくい方もいるかと思います。
また、締め切りが令和3年5月17日(月)とかなり準備の期間が短くなっております。
よって今回、重要な部分を抜粋してまとめましたので、目を通していただけたらと思います。
1.対象団体
支援団体について「箏曲・三味線音楽等、邦楽の演奏に取り組む大学公認の部活・サークル」と書かれています。
また事前説明会への参加が必須条件となっています。
(日時、開催形式については後日発表予定)
2.支援内容
採択された場合、4年間に渡り、支援が受けられます。
支援内容は主に4つになります。
①楽器の無償貸与
希望する楽器を無償で貸与していただけます。
こちらは年度ごとに活動報告内容を検証し、継続の可否を判断されるものであり、
必ずしも4年貸与されるわけではないようです。
②楽器の修理・メンテナンス
楽器ごとにメンテナンスメニュー(三味線の皮替えや箏の糸の張替えなど)が存在しますが、
メニュー外の修理・メンテンナンスを希望する場合も可能な範囲で対応できます。
③講師の派遣
指導を受けたい講師の派遣時期・回数を申請し、採択後事務局と相談することで講師の
調整・派遣を実施していただけます。
④発表会に係る費用の支援
採択後に行われる演奏会に係る旅費や会場費などの支援を受けられます。
こちらの内容がどこまで含まれるのか(例えば演奏会場までの運搬費やその他経費)
について言及はありませんでした。
他には他大学との交流会や邦楽・演奏曲を深く理解するためのワークショップへの招待があります。
3.提出書類
提出書類は3種類あります。
①「『邦楽普及拡大推進事業』申請書提出について」(必須)
・代表者や代表代理、顧問の連絡先など
②「邦楽普及拡大推進事業」申請書(必須)
・部活動・サークルの基本情報に加えて普段の活動内容
・現状の団体の課題と環境の整備を希望する理由(公募を希望する理由)
・4年間の目標と、今年度の目標と活動計画
・支援希望内容(上記1~4のサポート内容)
・交流会・ワークショップの参加有無
③修理・メンテナンスを希望する楽器について(希望する場合のみ)
・修理を希望する楽器の写真と、修理内容
・数と修理を希望する時期について
こちらに関しては今回修理を希望しない場合、
今後一切希望するタイミングがないというわけではないと思いますが
念のため事務局に確認を行ったほうが良いです。
内容が多く、特に②についてはかなり書くのに時間がかかる部分に
なると思います。学生の皆さんは大変お忙しいと思いますが、
余裕をもって作成することをお勧めします。
4.採択基準について
応募した団体がすべて支援を受けられるというわけではなく、
団体数が多い場合、申し込み書類を基準に選考が行われます。
採択を決めるうえで主に活動内容と今後の目標、
そして目標の実現性の3つがポイントとなります。
詳細については要領を見ていただきたいのですが、
「邦楽の普及にどれだけ効果があるか」ということを重要視しているように感じました。
5.スケジュール
<書類の提出期間>
令和3年4月23日(金)~令和3年5月17日(月)必着
<選定結果の通知>
令和3年6月中旬以降を予定
大事な点なのですが、
募集は既に始まっており、長くても3週間ほどしかありません。
今の時期、大学の新勧が終わったばかりで新入生の対応や
新年度の大学への提出書類もあり、GWを挟み、
さらにコロナ禍の影響でかなり忙しい状況かと思います。
提出書類も目標や計画などかなり時間が割かれるうえ、
その内容が評価項目となるともなるとかなり負担が大きいものとなります。
ですが4年間の支援は活動を行う上でかなり助けになる事業だと思います。
千代之音は学生の邦楽活動を応援しています。
ぜひ多くの団体が採択を受けられるよう願っています。
要領の詳細は以下URLから確認できます。
https://hougakushien.jp/